Summicron 5cm F2 1st トリウムレンズ
去年の年末に買った沈胴ズミクロン。アトムレンズと呼ばれるやつです。
自分が写ってるな。
ガラスにトリウムという放射性物質が混ざっています。その為レンズが黄ばんでいるものが多いです。製造番号100万台未満のアンダーミリオンと呼ばれるズミクロンが人気ですが、私のは109万台。104万台にもあるとか。正式な資料がないので何とも言えないです。しかもトリウムが入っていなくても黄ばんでるのもあるらしくますます混乱します。
トリウムガラスか否かを判断するには放射線量を測定するのが手っ取り早いです。そう、このレンズは今だに放射線を出し続けています。怖っ。
ショップで買ったので間違い無いとは思いますが、一応家庭用の放射線測定器を使って、前玉、後玉それぞれの放射線量を測定してみます。
通常値は0.05μSv/h程度です。
まず前玉。
お、きました。1.42μSv/h。通常の28倍程度の放射線が出ています。
間違いなくトリウムガラスですね。
次に後玉。
おー!2.17μSv/h!通常の43倍です。
んでこのレンズ、被曝しないのか?ってことになりますが、50cm離すとほぼゼロになるので通常使っている程度なら問題ないと思います。
あと黄ばみですが、私が買った個体はそんなに黄色くなっていません。うっすら?です。
この黄ばみは紫外線に当てると消えるらしい。特にやってませんので効果の程はわかりませんが。
このレンズはとにかく柔らかい描写をします。合焦部はしっかり解像しているのに、光を捉えると紗のかかったような滲みをみせ、ソフトな表現をしてくれます。
髪の毛の一本一本まで表現しているのに、光の当たった部分は柔らかく滲む。
ボケは複雑な造形物になると二線ボケが目立ちます。
合焦部はしっかりと解像。コントラストも良好です。
開放の柔らかさはズミルックスとも違い、ある意味オールドレンズらしさも残しています。どことなくノスタルジー。
一度初代Mモノクロームを借りたので、試しに撮ってみました。
おおお。もう解像しすぎて砂利がミドリムシのようになってる。すごいぜ。
レンズが追いつけない。デジタルは2400万画素のベイヤーがちょうどいいかもしれません。
デジタル機だとあまり問題にならないのですが、カラーフィルムで撮ると黄ばみの影響出てきます。
若干色がおかしい。これはkodakだけどフジ使うと空が緑っぽくなる。
しかし描写はいい。すごくいい。
モノクロで使うのがベストですね。
お値段は10万前後といったところか。安いのはそれなりだと思うし、本当にトリウムレンズかは測定しないとわからないです。これはOH済みで11万くらいしました。
まぁ普通の沈ズミでも十分イケてると思いますが、変わり種欲しい方にはいいんではないでしょうか。
ただこれ買ったきっかけで他のズミクロン50mmを買って試したくなったのは困ったもんです。
まだまだ沼の入り口。